ぐりん さん、曰く
> あくまでも電圧を生成するのはマザーボード(またはPL-Pro/IIなど)のレギュレーターで、
> 本来CPUから自動検出するVIDをのっとってしまう、というような感じなんでしょうね。
その通りですね。
# 「PL-Pro/II(Rev:B)」(PowerLeap社製)は、自前で
# 「VRM 8.4」規格準拠の「Voltage Regulator」を持っております。
プロセッサのロットごとにそれぞれ既定値として、あらかじめ
VID(Voltage ID)が定められており(< 後述)、これをSet VID(Voltage ID)といいます。
このSet VIDを読みとって、既定値どおりの電圧をプロセッサ側に供給することを
「自動設定(AUTO)」などと呼んでいます。
# Set VIDをマスクし、VIDを直接操作することで
# 「Voltage Regulator」側から、プロセッサ側に任意の電圧を供給させることが可能になります。
# 但し、供給可能な電圧の範囲は
# 「Voltage Regulator」側における、「Programmable DC-DC Controller IC」の仕様に規定されます。
# 例えば、Intersil社製「HIP6004ACB」の場合
# 「VRM 8.1」規格に準拠しているため、1.8V未満を供給することはできません。
「用語解説」
「VRM」(Voltage Regulator Module)とは、
CPUを動作させるために必要な電圧(Vcc core(Vcc for processor core) 等)を供給するための
DC-DCコンバータモジュールを指します。
(DC-DC converter :
ある電圧の直流電流を、異なる電圧の直流電流へ変換する装置のこと)
(一般的な、Socket8およびSlot1用VRMの外観/物理的形状につきましては
以下を、御参照ください。
「Pentium Pro processor
Voltage Considerations for PCs」
>
http://support.intel.com/support/processors/pentiumpro/1147.htm )
「VID」(Voltage ID(Identification))とは、
プロセッサ側がVRM(もしくはオンボードの「Voltage Regulator」)側に対し
要求する供給電圧を伝えるための、
4bitもしくは5bitの識別コード(Voltage Identification Code)を指します。
マザーボード側の電圧自動調整機構は、この「VID」を利用することにより
適正な電圧をプロセッサ側に供給することが可能になっております。
具体的には、一般的に
PentiumPro(Socket8)用のVRMは、「4bit VID対応」
PentiumII/III(Slot1)用のVRMは、「5bit VID対応」
PentiumII/III Xeon(Slot2)用のVRMは、「5bit VID対応」
と、それぞれお考えください。
デンドロビウム さん、曰く
> 単にサポートしなくなっただけではなく、ピンアサイン自体が変更されて河童の動作その物が無理になってしまったということなのでしょうか?
「PL-370/T (Rev:2.0)」は
Coppermine系プロセッサと組み合わせた場合の動作につきましては、一切テストされていません。
# よって、たとえ表面上は問題なく動作したとしても
# あくまで安定性の面では、(動作検証がなされていたRev:1.0よりも)不利になります。
# 現在のベータテスターの役割は
# ストレステストをおこなって、メモリバスやシステムバスに対して長時間過負荷かけて
# NMI関連エラーの頻度を報告するとともに、ピンアサインの改善 等を示唆することにあります。
Coppermine系プロセッサだけでも、ピンアサインは大系的に数種類存在します。
Coppermine系プロセッサのそうしたしがらみを捨て、二兎を追うことなく
Tualatin系プロセッサと組み合わせた場合に最適化されるようこころみた、とお考えください。
# それでも、エラーの頻度をかなり減らすことはできても
# まだ根絶するところまでは到っていない、というのが現状です。