[14087]  PC9821St15のCPU供給電圧
投稿者:コテハン無いです さん   2003-06-26 09:43:20
PenPro150MHzは3.1V駆動で、他のPenPROは3.3Vか3.5Vですが、現在200MHz版を60*3で3.1Vのまま使っています。
CPU供給電圧変更ジャンパピンがあると、個人サイトで見かけたのですが、詳しい場所までは書かれておらず、
探し方が悪いのかもしれませんが、ここの過去ログとgoogleで検索して見つけきれませんでした。
わかる方がいらっしゃいましたら、教えて頂けないでしょうか?
よろしくお願いします。
  1. コテハン無いです さん   2003-06-26 10:04:26
    他の検索エンジンでも見つけきれませんでした。
    Stについて、詳しく取り扱っているところって、もう無いんでしょうか?
    以前は、何箇所かで見かけたような気もするのですが・・・
  2. ぜっとー さん   2003-06-28 22:57:47
    確かにStシリーズの情報が集まっていた「わかさんのお部屋」も今や飛べないですね。
    ベースクロックの倍率を変更するジャンパピンはありましたが、3.1Vを3.3Vにするのはなかったような・・・うろ覚えですがね。
    200MHz版を載せればVRMが自動的に変更してくれるような気もします。
    特に不具合が出ていなければそのまま使うのもありかと(^^;
  3. コテハン無いです さん   2003-06-29 01:18:42
    レスありがとうございます。
    私も聞いたことが無かったのですが、見かけたサイトでは、
    CPUを換えたことで不安定になり、電圧変更をジャンパで行ったとあったので、
    情報を探してみたのですが見つかりませんでした。
    VRMの交換などは聞くのですが、見かけたサイトの管理人さんが、何かの勘違いをしていたのでしょうか?
    問題なく動いてますので、このままで構わないのですが、
    もしあるようなら知っておこうと思って質問させて頂きました。
    Stは情報が少なくて、手を加えにくいですね。
  4. ちゃま さん   2003-06-29 11:06:43
    コテハン無いです さんへ

    初めまして。
    「St15/L16(powered by PentiumII ODP 300MHz)」と
    「St20/L16(powered by PentiumII ODP 333MHz)」の両機種を所有しております、
    ちゃまと申します。

    「St15」の本体に装着されている
    「PentiumPro 150MHz」(「S-spec Number」: 「SY002」)は、
    VIDをサポートしておりません。

    そこで、「St15」では
    マザーボード上の「ジャンパ設定」によって、プロセッサ側のPrimary Vccに対し
    一義的に、3.1Vを供給しています。
     
     
    「St15」および「St20」
    (< ともに、マザーボードのロット名:「G8VDR」)の「ジャンパ設定」について

    「CPU横 / VRMユニット付近」 (用途: VRM関連の設定)

    「St15」は
     3A1,3A2,3A3がショート、3A4はオープン
    「St20」は
     3A1,3A2,3A3,3A4はすべてオープン

    (< これらのジャンパの文字の横には『02』という文字がすべて書かれていますが、
       その反対側に『01』と書かれているので、これはジャンパのピン番号を示しています。
       しかし、つながって見えるので、「3A1」なら「3A102」のように見えると思います)

     # Primary Vccに対し、
     # プロセッサ側が要求する3.3Vを供給するためには
     # 「St20」と同じ設定にしてください。
     
     
     注:
     「St15」の一部ロットにおいて
     「PentiumPro 150MHz」(「S-spec Number」: 「SY011」)が
     採用されていることがあります。
     こちらはVIDをサポートしておりますが
     「St15」側のデフォルトのジャンパ設定につきましては
     上記設定と同一になっております。
     
     
    「Cバス下」 (用途: システムBIOS書き換え可否の設定か?)

    「St15」「St20」ともに
    10H13のジャンパは、02−03がショートしていました。
    (< デフォルトで「ON」側に設定されています。
      「OFF」側(01−02をショート)に設定してはみたものの、
      明示的な変化は何も起こりませんでした。
      ちなみに、すべてオープンの場合には、マシン自体が起動しなくなります)
     
     
    「電源ユニット下」 (用途: 逓倍率設定)
     (内部クロックを、ベースクロックの2.0倍 / 2.5倍 / 3.0倍 / 3.5倍 / 4.0倍
      に設定できます)

    「St15」(=(60.0MHz x 2.5),「2.5倍設定」)は
     4H1は02−03がショート、4H2は01−02がショート、
    「St20」(=(66.6MHz x 3.0),「3.0倍設定」)は
     4H1は01−02がショート、4H2は02−03がショートしています。

    (< この二つのジャンパは、分かりにくいところにあります。
       Cバスと、電源ユニットとの境あたりにあり、Cバス側から見て奥側が4H1、手前が4H2です)

     # ちなみに、「3.5倍設定」は
     # 4H1は01−02がショート、4H2は01−02がショート、となります。
  5. ちゃま さん   2003-06-29 11:07:35
    「用語解説」

    「VRM」(Voltage Regulator Module)とは、
    CPUを動作させるために必要な電圧(Vcc core(Vcc for processor core) 等)を供給するための
    DC-DCコンバータモジュールを指します。
     (DC-DC converter :
      ある電圧の直流電流を、異なる電圧の直流電流へ変換する装置のこと)

    (一般的な、Socket8、Slot1用VRMの外観/物理的形状につきましては
     以下を、御参照ください。
     「Pentium Pro processor
      Voltage Considerations for PCs」
      > http://support.intel.com/support/processors/pentiumpro/1147.htm
     
     
    「VID」(Voltage ID(Identification))とは、
    プロセッサ側がVRM(もしくはオンボードの「Voltage Regulator」)側に対し
    要求する供給電圧を伝えるための、
    4bitもしくは5bitの識別コード(Voltage Identification Code)を指します。
    マザーボード側の電圧自動調整機構は、この「VID」を利用することにより
    適正な電圧をプロセッサ側に供給することが可能になっております。

    一般的に、
    PentiumPro(Socket8)用のVRMは、「4bit VID対応」
    PentiumII/III(Slot1)用のVRMは、「5bit VID対応」
    PentiumII/III Xeon(Slot2)用のVRMは、「5bit VID対応」
    と、それぞれお考えください。
  6. ちゃま さん   2003-06-29 11:08:22
    「参考資料(その1)」

    「PentiumPro」プロセッサ
     内部クロック/L2 Cache容量別の
     最大(Max)/標準(Typical)消費電力(W)/Maximum Current(A)/Set VID(および、Primary Vcc)(V)

     200MHz   1MB版     47.0W(43.0W)   15.0A / 3.3V
     200MHz 512KB版     37.9W(32.6W)   12.4A / 3.3V
     200MHz 256KB版     35.0W(27.3W)   11.2A / 3.3V
     180MHz 256KB版     31.7W(24.8W)   10.1A / 3.3V
     166MHz 512KB版     35.0W(27.5W)   11.2A / 3.3V
     150MHz 256KB版     29.2W(23.0W)    9.9A / 3.1V ・・・※

    (但し、例外的に
     以下のような仕様を備えたプロセッサも存在しております。

     200MHz 256KB版 (Primary Vcc = 3.5V 仕様)
      (< 「S-spec Number」: 「SL245」「SL247」「SL254」「SL255」 が該当します)
                       39.4W(**.*W)   11.9A / The VID pins are not supported on these parts.
         なお、「Typical Thermal Design Power」(*印の部分の数値)につきましては、
         公開されておりません)

      # 標準的な、3.3V仕様の「PentiumPro 200MHz 256KB版」とは
      # 最大消費電力やMaximum Currentが異なっているため、
      # 3.5V仕様の「PentiumPro 200MHz 256KB版」を搭載する場合には、
      # 別途、これらに対し、注意する必要がございます。
     
     
      ※・・・ この中では「S-spec Number」: 「SY002」のみ、「VID」をサポートしてはおりません。
           (< The VID pins are not supported on these parts. )
     
     
    参考文献:
    「PentiumPro Family Developer's Manual Volume 1: Specifications 1996」 11-15(P.199)
     Table 11-5. Power Specifications
    「PentiumPro Processor with 1MB L2 Cache at 200MHz January 1998」 P.18
     Table 4. Power and Voltage Specifications (Option 1)
    および、
    「PentiumPro Processor Specification Update January 1999」 7(P.15), 8(P.16)
     Basic 150-, 166-, 180-, and 200-MHz PentiumPro Processor Identification Information
  7. ちゃま さん   2003-06-29 11:09:11
    「参考資料(その2)」

    「98Pro(St15/St20)の製造時期/製造ロットについて」

    当方が所有する
    St15/L16の製造番号の上二桁は「61」
    (1996年1月製造。初期ロットはおそらく「61」)

    St20/L16の製造番号の上二桁は「64」
    (1996年4月製造。初期ロットはおそらく「63」)

    となっております。
    ここでいう製造番号とは、本体背面や保証書に記載されているもの指します。
    もしよろしければ、コテハン無いです さんが所有されている「St15」の
    「製造番号の上二桁」を教えていただければ、幸いです。

    (保証書や本体背面に記載されている「製造番号の上二桁」
     (製造番号「**#####@@」の**の部分のみ)に着目することにより、
     その本体の「製造時期」を、ほぼ特定することができます。

     たとえば、
     製造番号の上二桁「49」(1994年 9月製造)
     製造番号の上二桁「4X」(1994年10月製造)
     製造番号の上二桁「4Y」(1994年11月製造)
     製造番号の上二桁「4Z」(1994年12月製造)
     製造番号の上二桁「51」(1995年 1月製造)

     ということです)

     # もちろん、マザーボードそのものの「製造時期」を特定するためには
     # マザーボード上に記載されている「製造番号の上二桁」によって確認した方が
     # より確実であるということは、いうまでもありません。
     
     
    なお、これ以降は
    NECの技術者の方からお聞きした「伝聞情報」なのですが、
    「98Pro」(St15/St20)のマザーボードには
    少なくとも3種類のロットがあり、
    製造時期の順にそれぞれの特長として、以下のような違いが見られるようです。

     (1)OSCによりクロックが供給され、ジャンパ線が随所に見受けられるもの
     (2)OSCによりクロックが供給され、ジャンパ線はナシ
     (3)PLSによりクロックが供給されているもの

      (OSCを搭載したものは、ベースクロック固定。
        「St15」であれば、60.00MHzのOSC
        「St20」であれば、66.66MHzのOSCがそれぞれ載っています。
       PLSを搭載したものは、ジャンパピンによりベースクロックの変更が可能。
        28pinのチップがCPU付近に載っています)

    「St15」であれば(1)か(2)、
    「St20」であれば(2)か(3)のいずれかであると思われます。
    (ひょっとすると、「St15」にも(3)のタイプが存在するかも知れませんが、
     残念ながら当方は、その存在につきましては聞き及んでおりません)

    当方の「St15」(< 「G8VDR B11」)は
    製造時期的に見て、初期ロットの部類に入ると思われますが、
    ジャンパ線の類は見受けられないので、おそらく(2)であろうと思われます。
    (また、当方所有の「St20」(< 「G8VDR A C 3B」)も、(2)に該当します)
     
     
    「98Pro」と一口にいいましても、
    マザーボードには様々な種類が存在しておりますので、参考にしてください。
    (もちろん、上記以外のロットもあるかも知れません... )

    (1)か(2)のタイプで
    ベースクロックを「60MHz > 66.6MHz」にする場合には、
    「OSC」の載せ換えが必要になります。
  8. ちゃま さん   2003-06-29 11:10:37
    「参考資料(その3)」

    「98Pro(St)のまとめ」

    「98Pro(St)」ユーザのみなさんからお寄せいただいた非常に貴重なデータをあわせ、
    現在のところ判明している情報をまとめてみました。

    「St15/L16」
     BIOSリビジョン: 0.12
     製造時期: 1996年 1月 〜 3月製造
      (< 製造番号の上二桁は 「61」 〜 「63」)
     High Speed Boot プログラム 「HSB.EXE」使用不可
     環境再構築コマンド 「REBOOT.EXE」使用不可
     機種固有の不具合あり
     (PCIバスを含めた、本体側における一部のデータ転送速度に問題がある)

    「St20/L16」
     BIOSリビジョン: 0.06
     製造時期: 1996年 4月以降( 〜 11月製造)
      (< 製造番号の上二桁は 「64」 〜 「6Y」)
     High Speed Boot プログラム 「HSB.EXE」使用不可
     環境再構築コマンド 「REBOOT.EXE」使用可能
     (< 「REBOOT Ver1.21」以降、対応機種に含まれています)
     機種固有の不具合なし
     (PCIバスを含めた、本体側における一部のデータ転送速度に問題はない)

    (< なぜか「St15」と比較した場合にBIOSリビジョンが下がっているかのようですが、
       これは、「St15」と「St20」とをそれぞれ「異機種」とみなして、
       新たにリビジョンナンバーが振られたものと推察されます)

    なお、ここでいう製造番号とは、本体背面や保証書に記載されているもの指します。
    (上記以外の機体がございましたら、ぜひお知らせくださいませ m(_ _)m 。
     但し、修理品や
     いわゆる「リワーク品」は除きます(< あくまで参考データとしては、適切であるとはいえないため))
     
     
    「St15/L16」と「St20/L16」との違い

    当方所有の実機にて、
    双方を見比べてみた時の違いを挙げておきます。
     
     
    「OSC」の型番について
    「St15」
     「KYOCERA  KX0−CH1−TS  60.0000MHz」
    「St20」
     「TOYOCOM  TCO−711A  66.667MHz」

    「OSC」の位置は、「メモリドーターボード」用スロットの近辺にあります。
     
     
    なお、「VRM」(Voltage Regulator Module)につきましては、
    「St15」「St20」ともに同一のもの(VXI社製)が搭載されています。
     
     
    「機種固有の不具合の有無」について

    「St15」と「St20」とで
    「チップセットのリビジョン」が異なっていることが、その原因として挙げられます。

    「St15」や、AT互換機を含む「PentiumPro 150MHz搭載機」は
    「Intel 82450KX(Orion)搭載機」としてみた場合にも「最初期」のマシンに該当するため、
    バグ付きのチップセット(リビジョン「A2」以前)を採用しているとみて
    ほぼ、間違いないと思われます。
     
     
    残念ながら、「St15」上では
    ソフトウェアリセットによるウォームブートが使用できないことから、
    MS-DOS上での「INTELSAT」による設定変更を生かしたまま
    WindowsNTを起動させることは出来ないようです。
    (当方も、「REBOOT Ver1.20」以降のリビジョンを全て試してみましたが
     「St15」上では、いずれも動作しませんでした... )

    したがって、現在
    WindowsNT上においては
    「WildCatOverDrive For NT」(powerx さん 作製)により、
    「St15」のみが抱える「機種固有の不具合」を解消(< より正確には、軽減)しております。

    ちなみに「PC-9821 PentiumProマシン」では、「St20/L16」と
    「Rv20/N20」(< 最終版である「REBOOT Ver1.28」で、対応機種に含まれています)
    のみが「REBOOT.EXE」に対応しています。
     
     
    なお、「St15」のみが抱える「機種固有の不具合」につきまして、詳しくは
    「MATE-R、98Proユーザの掲示板」
    (> http://thor.prohosting.com/~magesaga/cgi-bin/mate-r/gwbbs.cgi )の過去ログにおける
    「St15のCPUとINTELSAT」 投稿者:TAK さん 書込日時:2001/01/07(Sun) 13:12
    に対する、当方のResを御参照くださいませ。
  9. ぜっとー さん   2003-06-29 17:17:01
    ちゃまさん、詳しい解説ありがとうございます。
    St15に関しては200MHZ版載せても、多くの場合CPU電圧が自動調整されるということですね。3.3V版であればOKと
    St15は機種固有の不具合があって、ハードウェアでの高速化よりソフトウェアでいろいろ変更したほうが目に見えて「速くなった」と体感できる機種でもありました。
    しばらくぶりにマシンに火を入れてみたくなりました。
    もう少し静かだったらなー(笑)
  10. ちゃま さん   2003-06-30 00:06:41
    ぜっとー さんへ
    初めまして。ちゃまと申します。

    レスポンスありがとうございます m(_ _)m。

    えーと、
    「St15」のデフォルトのジャンパ設定のままでは
    プロセッサ側のVIDは無視され、Primary Vccに対し
    一義的に、3.1Vが供給されてしまいます。

    コテハン無いです さんの事例では、
    デフォルトの3.1V設定のままで
    180MHz(=60.0MHz x 3.0)動作していることになります。

     # これぐらいの内部動作クロックであれば
     # 3.1V設定のままで、問題なく動作してしまうと思います。
     # もう少し上の内部動作クロックをねらうのであれば
     # Primary Vccに対し、プロセッサ側が要求するVID通りの電圧を供給できるよう
     # 前述のように、ジャンパ設定を変更してください。
  11. コテハン無いです さん   2003-06-30 04:08:44
    詳しい説明ありがとうございます。
    この機会に、3.3Vで3.5倍設定を試してみました。
    しかし、ピポっとなって起動はしているようですが、画面が移らない・・・設定を戻してもダメでした。
    設定を変える前は、動いていたのですが・・・と言っても、最後に動かしたのは数ヶ月前だったんですけど。
    スーパーリセット後、GRPH+2を試してもダメで、GA側に直接モニターを繋いでも映りませんでした。
    電源を入れて、しばらくしてEnterを押すと、HDDを読み込んでいるので
    画像の出力に問題あるのでは?と思っていますが、解決できない状況です。
    もう少し調べてみますが、メモリカウントの画面すら出ないのでGAの故障でもないのかな?

    製造番号の上二桁は62でした。マザーボードはG8VDR B11です。