[8756]  128MB SIMM の自作等。
投稿者:いーとん さん   2000-08-31 22:12:51
此処の所の活動(爆)の結果以下の部品が集まりました。
1.64MBx2 FP P付き SIMM。(KM44C16100BS-6、メモリーチップが1個破損している不良品)
2.64MBx2 FP P無し SIMM。(KM44C16100AS-6)
3.64MB EDO ECC無し SIMM。(KM44C16104AK-6)
4.128MB EDO ECC DIMM (3.3V)。(KM44V16104AK-6)
どれも PC-98 では使用できない物ばかりなので、全て実験台になってもらいました(笑
(動作チェックは全て Ra20/N30 にて行いました)

FP P付き SIMM 修理編)
まず初めに1.の修理を行う為にメモリーチップだけの入手を試みましたが...玉砕。
ならば FP のチップの代わりに EDO が使用できるのではないかと言う事でデータシート
により比較してみた所、16100 と 16104 はピンコンパチでそのまま使用出来そうです。
と言う事で1.の SIMM に3.から剥がしたチップを張り付けてみた所動作しました。
☆FP SIMM と EDO SIMM を1枚ずつ使用しても動作する事から、この修理方法が可能
 で有ろうとは以前から考えていました。

P付き 128MB SIMM 自作編)
次に、1.の SIMM は裏面にも張り付ける為のパターンが有る為 128MB SIMM に出来そう
なので2.の SIMM からチップを移植し、パリティ用のチップは3.の SIMM から剥がし
て移植し追加配線(パリティ用の配線)を行った所此方も旨く動作しました。
☆1.の SIMM のチップ構成は 片面64Mbitx8+16Mbitx4 でしたが、裏面のチップ構成を
 64Mbitx9 としましたが問題なく認識されています。
 この様な構成にした理由は 16Mbit(2MBx1bit出力)のチップが入手できないからでした。
 表面に使用されている 16Mbitチップは KM41C16000CK-6 です。
☆64Mbitx9 の構成方法は ME5 を参考にしています。

3.3Vチップによる EDO ECC 64MB SIMM 自作編)
2.の SIMM からチップを全て剥がしてしまった事により SIMM基板 が2枚余りましたの
で、4.の DIMM からチップを移植し、電源電圧差を吸収する為の策としてダイオードを
直列に3本入れ降圧させる事にします。
内層パターンへの接続はスルーホールを抜いてしまう事により切断させると言う改造を加
えた上で電源ラインを配線しました所、此方も動作しました。
☆ KM44V16104AK-6 の規格をオーバーする使い方なので耐久性は不明(爆
☆ダイオードを3本通した結果の電圧が 3.1V の為、定格クロックの 66MHz 以上では旨く
 動作しませんでしたが、ダイオードを2本とすると 78MHz でも動作しています。

考察)
440FX 限定になるかも知れませんが、
A.EDO のチップを FP の代わりに使用する事が出来る。
B.2BANK SIMM の構成は、BANK1 と BANK2 で同じでなくても動作する。
C.3.3V チップ使用の SIMM はオーバークロック対策が出来る(かも知れない)。
 ☆別に持っている 3.3V チップ使用の SIMM は 104MHz でも動作しました。
D.メモリーといえどもやっぱりただの電子部品でした(爆

これらは電子工作が出来ない人には余り有用では無い情報ですが、こんな感じです(笑
まあ、何かの参考になれば幸いです。(長文失礼しました m(_ _)m
  1. まりも さん   2000-09-01 00:27:31
    なんかものすごいことをされていますね(^^;。
    B.はその通りで、構成の異なるsingle side SIMMを、コンバータで貼り合わせで普通使えますね。
    C.については、KM44V16104を使用した64MB-SIMMを私も持っていますが、降圧ダイオードは2個直列となっていて、電源電圧は3.65V程度ですが変動がかなり大きいです。うちのやつはクロックアップ耐性はてんでよくありませんでした。バイパスコンデンサの容量がケチられているからかな...。
    D.については、へたなSIMMコンバータで貼り合わせるより、自分でSIMM基板に改造を加えた方がよいというのは確かだと思います。コンバータを使って64MB-SIMMの貼り合わせ実験を試みたことはあるのですが、メモリチェックカウント中の不定な位置でエラーが出てしまうくらい不安定でダメでしたから。
  2. YU さん   2000-09-01 01:04:28
    ダイオードによる降圧は手軽なのでよく使われますが、電圧の安定性にかなり問題があるので、マージン削ってオーバークロックさせる場合は(そうでない場合でも)ちゃんとレギュレータで電源回路を組んだ方がいいです。
  3. エマティ さん   2000-09-01 23:12:01
    お〜、みなさんすごいことをやっていますね。
    ただの机上論ですが。
    ダイオードの電圧のドロップは通常0.6V位ですが、これは電流によって変動します。
    定格近い電流が流れれば1V位ドロップするかもしれません。
    メモリが高速に動いて、電流が増えれば増えるほど、電圧が下がる訳ですから、不安定にもなるでしょう。
    どうしてもダイオードで調整するなら、同じ種類でもなるべく電流容量の大きいダイオードを用いるとか並列に接続(2直列・2並列なら4本必要ですが)した方が安定すると思います。
  4. まりも さん   2000-09-02 00:09:34
    追加ですが、普通のシリコンダイオードでなく、ショットキタイプを使う必要はあるでしょう。
  5. 月虹 さん   2000-09-02 03:29:43
    噂で概要は聞いていましたが、いやはやすごいですね。

    > A.EDO のチップを FP の代わりに使用する事が出来る。

    データシートを見る限り、これは可能ですね。

    > B.2BANK SIMM の構成は、BANK1 と BANK2 で同じでなくても動作する。

    いーとんさん改造 SIMM で、構成が違っているのはパリティ(ECC)部分だけですよね?
    だとすると、その結果からこれは導けないです。
    #SIMMコンバータで別構成OK ということなので、真だとは思いますが。

    まず、ハードウェア的には、BANKごとのメモリ構成は違っていても通常問題ありません。
    メモリコントローラ(最近はチップセット内部にあります)は、BANKごとにメモリを制御します。で種々のメモリに対応するため、種々のメモリ構成が取れるようになっていますが、これは普通 BANK ごとの制御です。
    #これが出来ないと、BANK0 をオンボードメモリ、BANK1,2 をメモリスロットというような構成がとれなくなる。

    [蛇足]
    (概ね)Pentium 以降の 64bitアクセスの場合は、SIMM を 2本一組で使用しますが、この場合 2本の SIMM の同一面を組とした 64bit幅の BANK とします。ですから、2本の SIMM の同一面の構成が同じである必要はあります。

    問題になるとすれば BIOS というかファームのメモリ設定プログラム部です。
    SIMM を使用するシステムであれば、SIMM の両面は同構成のはずと仮定した設定プログラムが存在する可能性もあるかなと。
    まぁ、どうやら PC-98 の場合は、しっかり BANK ごとにチェックしているようですが。

    で、データ部分のチップ構成が同じであれば、パリティ部分の構成も同じになります。というか、外から同じに見えないと困ります。
    16MBit 1bit幅のチップを4つ並べたものと、64Mbit 4bit幅のチップは外からは同じに見えます。
    違いとしては、1bit幅のチップ4つでパリティを形成した場合、完全なバイトアクセスが可能(4bit幅チップ時にはバイトアクセスにリードモディファイライトが必要)となりますが、現在の PC は、キャッシュミス時のキャッシュフィル動作くらいでしかメモリにアクセスに行かない、また ECC動作時は 8bit 1パリティではなく 64bit 8ECC で動作する(常に 64bitアクセス)ということからも違いはなくなります。
    #それに 64MB 以上の SIMM だと、CS信号が削られてバイトアクセスは出来なかったと思う。

    > D.メモリーといえどもやっぱりただの電子部品でした(爆

    もちろん :-)
  6. いーとん さん   2000-09-02 15:11:28
    今回の 128MB SIMM の構成は、表面が 64Mbitx2+16Mbitx1 を4組持っている物です。
    アクセス方法は上記の物を1組として CE0,CE1,CE2,CE3 の都合4組有る訳です。
    それに対して裏面は、64Mbitx2 を一組として CE0,CE1,CE2,CE3 の4組です。
    この時のECCは 64Mbitx1 を CE0 のみでアクセスしていますので裏表で構成が
    異なると書いた訳です。(ME5 がこの構成になっていました)
    ☆月虹さんの説明により理解できました。

    > 普通のシリコンダイオードでなく、ショットキタイプを使う必要はあるでしょう。
    とりあえず現時点では通常の1A定格の製流用ダイオードで済ませていますが挙動不審
    な点は無いようです。
    SIMM上で 5V→3.3V のレギュレータを組む事も考えましたがダイオード降圧で不安定な
    場合に考えようと思っています。(マザーから 3.3V を持ってくる事も考えたが...)

    本日で使用2日目です。
    ベース78MHzのまま使用していますが挙動不審な点は見られませんのでとりあえず成功
    と言って良いかな?(ホビーユースの範囲内と言う事で)
    後は、もう2組ほど 256MB SIMM を造り Ra20 の SIMMスロットを6本に増設すれば良い
    のですが...材料になる SIMM の調達が困難ですなぁ(笑